2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

少女漫画と再帰性

「少女」は再帰しない 矢沢あいの『天使なんかじゃない』(以下『天ない』)は、内容の面白さもさることながら、漫画における「キャラ」の歴史的にみても、少女漫画のフォーマットの中に、なぜか「ヤンキー(極めてライトなヤンキー像だが)」や「ツンデレ(…

ロードムービーについて

会社でロードムービーの話題になった。ロードムービーと言えば、王道すぎるけどやっぱり、80 年代のヴィム・ヴェンダースであり、ジム・ジャームッシュであり、その源流にあるジャック・ケルアックをはじめとする50〜60年代ビート・ジェネレーションだという…

JUDY AND MARY『LOVER SOUL』のPV

映像の中で人が横たわるということ JUDY AND MARYの13枚目のシングル『LOVER SOUL』のプロモーションビデオは、雪原の中に真っ赤なワンピースを着たYUKIが横たわってずっとうたを歌っている、簡単に言えばただそれだけの映像である。降り積もる雪に埋もれて…

野田秀樹について

開かれることの演劇 古い付き合いの劇団の主宰に呼ばれて、今日は彼の事務所に行った。軽く打ち合わせなどをして、撮影のロケハンがてら散歩したあと、ふと彼の部屋の本棚に野田秀樹の『半神』の戯曲が置いてあるのをみつけ、手に取ってしばらく読みふけった…

ミヒャエル・ハネケ『ファニーゲーム U.S.A.』

「映さない」映画 映画は何かを「映す」ことによって成立しています。しかし、いくつかの映画には、特定のシーンを、意図的に「映さない」という演出をとっている映画があります。そのことを、黒沢清監督はヒッチコックの『サイコ』などを例にとって大学の講…

『あいのり』が終わる日

フジテレビの『あいのり』が、2009年3月をもって放送終了となる。10年にわたって常にどの裏番組よりも高い視聴率を叩き出し、人気を保持し続けてきた背景には、日本のテレビコンテンツ産業きっての巧みな戦略と構成があったと私は思っている。 『あいのり』…